会員の活動

東京同好会

俳句同好会

林 三平
異次元の政策虚し梅雨出水
大鼓(ルビ・おおかわ)の梅雨寒飛ばす気合かな
情けなや老いのしくじり浴衣会
久方の鰻に銚子もう一本
炎昼や戦い続く国のあり

近藤陽明
海峡の空を広げて揚花火
踏み石の石の不揃ひ糸瓜棚
少し佳き酒買ひ足して涼新た
小島にも秋立つ波音風の音
朝顔やシドニー湾の海の色

谷口一郎
手振りしつ出を待つ祭囃の子
秋暑し神鈴の緒の重く垂れ
秋めくや厨の音の隣より
虫の声指揮棒振りしごとく止み
散り敷いてまた散りしいて落葉径

坂部博志
古都の秋いらかの波と御所車
台風は一つ目小僧の憎き奴
わが夫やいざ鎌倉と芋洗ひ
我が庭がラストステージ秋の蝉
ゴキブリのその逃げ足に妻降参

横山 稔
秋晴れの社友会ゴルフに四五人
翔平のいないテレビの秋寂し
秋深し俳句の道はなお楽し
空蝉を七匹葬り夏往けり
満月のススキ求めて花屋をめぐる    

山田良男
万緑に囲まれ祝う誕生日
この町が私のふるさと蝉時雨
いつの間に咲きし火の色花彼岸
夏木立生き物多し風多し
様々な虫の合奏夏惜しみ

木田俊治
暮方の川辺に二人律の風(京都鴨川にて)
残暑にも鈍き音叉のごと読経(京都永観堂にて)
ちちろ鳴く無人の夜の社殿裏
運動会園児の歓声秋澄めり
そぞろ寒口火切られしガザの地も

古田陽久
いまここに生きる証や親鸞忌
やうやくに叶ひし思い秋桜
藤袴求め島へとアサギマダラ
師走来る我がチャレンジの「第九」かな
クルーズのデッキより見る初日かな

野地邦雄
峰雲のいまだ威をはる残暑かな
とつぷりと暮れたつぷりと酌む新酒
新涼のひと日さらりと終りけり
とろろ汁要は力の入れどころ
流れ星帰ると言うたではないか