会員の活動

東京同好会

俳句同好会

林 三平
早暁の静寂を破り恋の猫
浮寝鳥仲間は既に北へ去り
大仏の胸のはだけや春うらら
先見えぬ国の行方や春の雷
耐える日々止まぬコロナに花粉症

近藤陽明
剥落の切羽直して山笑ふ
新聞に隈なく見通す日永かな
惜別の酒は辛口春浅し
豹走る印度の山の虎落笛
滑石の線の光て山笑ふ

谷口一郎
石地蔵素足の先に春の泥
旅ごころ誘ふがごとく春一番
筆絶ちし太宰の部屋の余寒かな
手を振れば応へるボート花の池
はしなくも躓き転び四月馬鹿

坂部博志
すそ野まで富士重たげに雪かぶり
酢牡蠣通舌で味わひ音で食ひ
三寒の後の四温はまだらなり
つばくろに軒先貸して回り道
春うらら瞼重たき龍馬伝

横山 稔
梅見酒句は出てこずにウクライナ
三度目のワクチン滲みて梅の花
桜道句材探しの傘寿かな
はしご酒桜の下の臨時バー
なにゆえにかくもきれいか靖国の桜

山田良男
猫五匹団子になりて日向ぼこ
城跡に武者を偲びつ初音聞く
老木の生きてる証花ひらく
花ミモザこよなく愛でし句友逝く
城跡の四阿からの花見かな

木田俊治
ロシア兵寒空仰ぐ破軍星
隣よりバンドゥーラの音朧夜に
指折りて孫と句を詠む桃の日に
落葉掻く哀しきほどの軽さかな
ローカルの終着駅の花の宿

古田陽久
富士山を遠くに置いて茶摘唄
桜海老影赤くして駿河湾
千歳より安芸への鉄路春の風
魚津にて今宵食さん蛍烏賊
悠久の石橋の町花爛漫(熊本・緑川流域にて)

野地邦雄
老いてなほ学びの日々や桜餅
初燕遊びきれなき甲斐の空
草餅や帯を栞に本を閉づ
寝言とは夢の縫い目や桃の花
薫風や絵筆は水を滴らす