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寄稿・便り

共和党の行方とバイデン大統領の将来
~2022年中間選挙と2024年大統領選挙の展望~

松尾洋一郎(63066)

高齢シニア読者の皆様へ

長文レポートですので、勝手ながら各項目の題(副題)と太字箇所に目を通して頂けたら光栄です。なお、「」内は、国民による、国民のための公明正大な選挙制度を基本に、多種多様な移民のベンチャー意欲で繁栄してきたアメリカ民主主義国の弱点とその国民が採るべき対応を論じた『How Democracies Die』の翻訳本とその他英文資料からの拙訳引用文です。

1. なぜ過激派・煽動家のトランプ氏が大統領に選ばれたのか

(1)『民主主義の死に方』(ハーバード大学教授レビッキー氏とジブラット氏の共著翻訳版)の解説者、池上彰氏コメント:
「2016年11月、アメリカは一つ目の試練(人気のある過激主義者の隔離)を乗り越えることに失敗し、民主主義的な規範への忠誠が疑わしい人物を大統領に選んだ。ドナルドトランプの予期せぬ勝利は、市民の不満だけで生み出されたれものではなく過激な扇動家への候補指名を“共和党内部で防げなかった”という共和党の失敗によって生み出されたものだった。その大統領ドナルドトランプは、在職中アメリカの民主的な制度を巧みに利用し、徐々に民主主義を破滅に導き独裁政権を築こうとした」。

(2)スタンフォード大学政治学者フクヤマ教授:
「(トランプ氏が大統領に選ばれた背景には)様々な要因が重なった。中間層の没落や格差拡大がトランプ氏を後押しした。一方、共和党が「小さな政府」や自由市場という共和党の党是を捨てて、個人崇拝党になった。SNS(交流サイト)が陰謀論による混乱を増幅した。民主主義を信奉する政党の指導者までも陰謀論に走った」。

(3)米有力某シンクタンク理事長(共和党):
エリート層と民主党は、グローバリゼェションの負の面と技術革新で取り残された中間層と低所得白人層に長年間なにも施さなかったために、トランプ氏の様な過激派で危険な人物が大統領に選ばれてしまった」。

2.2020年の大統領選挙、トランプ共和党が進める選挙制度改革とアメリカ民主主義の行方

一般投票数(ポピュラヴォート)においてバイデン候補は、トランプ候補よりも700万票多く、歴代の米大統領選挙で最多の8100万票を獲得。且つ大統領選を締めくくる「大統領選挙人」数においてもバイデン候補が270票以上の306票を獲得し第46代大統領に選出されました。

この結果について、トランプ大統領(当時)は「選挙は盗まれた」と大騒ぎし激戦複数州の裁判所へ上告しましたが、各州の最高裁はじめ連邦最高裁(含、トランプ大統領が任命した保守派判事複数)は「証拠なし」として却下しました。しかし、トランプ前大統領は負けた激戦6州の共和党州でトランプ独特の政治圧力をかけ票の数え直しを強行しましたが、アリゾナ州を含むいずれの州においても“不正の証拠なし”と各共和党州政府は再確認しました。

一方、トランプ前大統領は共和党が州議会を占める複数の州で、低所得労働者(時間給のために仕事を休んで投票に行かない黒人労働者ら)を狙い、彼らが投票しにくいように、例えば、日曜の投票時間の短縮、加えて投票時に身分証明書(ID)の提示を義務付ける(貧困者は自動車免許証を所持してない人口が多いことを知った上で)などなど特に民主党有権者に不都合となる投票方式へ改正しています。その典型的な州はフロリダ、ジョージア、テキサスの州です。しかし、斯かるトランプ共和党の非民主的な選挙改正州法に対し、例えば、ジョージア州では大企業、デルタ航空本社、コカコーラ社などの他にも数多くの企業が猛反発しました。

米国勢調査局の8月12日の発表:米人口は3億3145万人。白人人口(除、中南米系ヒスパニック)が10年前の前回調査に比べ2.6%減少。有色人口は米全人口の43%(10年前、34%)へ増加。なお、2044年迄には米人口の半分以上が非白人となるとの予測です。米国の多様化が一段と進みそうです。共和党は常套手段として、2020年の国勢調査の結果を睨み、選挙区の見直し(白人の多い選挙区から黒人を排斥、共和党に有利な選挙区作り、黒人の地域は民主党へ)を行うでしょう。

<民主主義の行方について>
(1)ハーバード大学教授レビッキー氏とジブラット氏提言:
「トランプ氏はアメリカの歴史で初めて公職についた経験がなく、憲法によって保障された権利を明らかに軽視し、はっきりとした独裁主義的傾向のある男として大統領に選ばれた。選挙で選ばれた独裁者は民主主義の上辺を保ったまま、その中身を骨抜きにして行く」、また「ポピュリストが選挙に勝ったとき彼らの多くは民主主義の制度を攻撃する」。

(2)イアン・ブレマー米政治学者、ユーラシアグループ社長の警告:
「民主主義を切り崩そうとするトランプ氏の行動を与党共和党が完全に黙認した。共和党も右派ポヒユリズムが持つ本当の怖さを甘く見過ぎている。問題なのは、民主主義が本当に危険な状況にならない限り、自由を守ろうとの機運が高まらないことだ。トランプのような扇動家がヒトラーのように振る舞おうとしても民主主義の国なら阻止できると安心しきっている人が多い。だが、そうでないと分かった時にはもう手遅れだ」。

3.1月6日米議事堂乱入の責任者、トランプ大統領と共和党の行方

トランプ大統領(当時)はこれまた史上初めて大統領在職4年間に二回も下院議会で弾劾裁判を受けた前代未聞の珍しい大統領です。

1月6日の米議事堂乱入事件を誘導したトランプ大統領を上院議会弾劾裁判(2回目)においても共和党上院院内総務ミッチ・マコーネル長老議員が有罪に持ち込まなかった、その責任は彼の決断不足に起因する、と筆者は思います。その米議事堂乱入事件に関して、下院議会共和党は9.11テロ事件の調査究明で採ったような外部の中立調査委員会の設置には猛反対、下院議会内の調査委員会設立に固執。現在1月6日事件の真相究明が進められていますが、下院共和党議員は極めて非協力的でトランプ前大統領の責任を葬る意図です。

今日の共和党議員(大半)は、国の将来や国民の利益保護よりも“自分達の再選・当選という自己利益を最優先”して、ズル賢く人心掌握術に長けたトランプ前大統領の人気、資金援助と支持団体の助けにしがみつきトランプの懐に転げ落ちているというのが残念ながら実態です。

<共和党の行方>
リズ・チェイニー下院議員56歳は、「露骨な大嘘と陰謀論」で世論を操るトランプ前大統領を正面から非難、大統領としての資格なしと公言。トランプ・カルト共和党議員らに対抗して、民主主義とアメリカの憲法、法の支配を護る“保守本流正統派の共和党の再建”を目指しています。彼女の勇気ある活動に、共和党元下院議長を務めたジョン・ベイナー71歳とポール・ラィアン51歳の両氏は、彼女の出身州ワイオミング州でトランプ前大統領が担ぐ女性候補を落選させ、リズ・チェイニー議員をワイオミング州で再選させる目的で彼女の選挙資金活動の応援に乗り出しました。

一方、扇動家のトランプ前大統領に同調する右翼組織(Qアノンや白人至上主義者ら)によるアメリカ国内でのテロ勃発を恐れるブッシュ元大統領75歳は、“保守本流正統派の共和党の再建に挑むリズ・チェイニー議員”を2022年11月の中間選挙での再選応援の目的で、選挙資金活動を10月18日にテキサス州ダラス市で展開。また、最近の共和党内部の動きとしては、共和党上院院内総務ミッチ・マコーネル議員80歳も脱トランプ議員で共和党保守派を固めようと遂に動き出したので共和党は2022年中間選挙を機に分裂に向かうと筆者は見ます。

(参考)7月5日のオハイオ州での共和党選挙資金集会について、共和党支持のWSJ紙は、現地報道として『トランプ前大統領は、バックグランド役に徹し2024年大統領選挙では、共和党は白人男性の党ではないとして新しい大統領候補者(黒人男性か、女性)を出すべきだ』、との声が地元で上がっていると。更に10月9日付WSJ紙は、『トランプ前大統領が意欲を見せるアイオワ州における2024年の大統領予備選挙について、共和党の大半は別の候補に関心が集まりつつある』と報じました。

なおトランプ身内では、トランプ・ジュニア息子以外にはトランプ前大統領の過激な言動に賛同する家族(含、メラニア夫人)はいないようですので、何時までトランプ共和党が生き残れるか疑問です。

<共和党再生のための提言>
ハーバード大学教授レビッキー氏とジブラット氏:「共和党は、過激主義者を党内から追い出し、トランプ政権の独裁主義と白人至上主義ときっぱり決別し、白人キリスト教徒以外にも支持者を広げる方法を見つけなければいけない。共和党が白人ナショナリズムを放棄し、極端な自由市場主義を和らげれば、幅広い層の宗教保守派を取り込んで持続可能な支持基盤を作り出すことができる筈だ。プロテスタントやカトリック教徒は勿論のこと、相当数の少数民族票を得ることができるだろう。今日の共和党にとっての問題は、より深刻な危機に突入する前にドイツのCDUと同じような改革、つまり独裁者を拒絶し自由と寛容を受け入れる党に改革できるかどうかということだ」。

4.アメリカの二大政党制度とその去就

米国で政党システムが出来たのは1830年代、第7代A・ジャクソン大統領の在任中(1829 –1837)の頃とされています。当初はジャクソンを支持する民主党とそれに対抗するホイッグ党という構図の二大政党であったものが、奴隷制への賛否を巡って1850年代(明治維新前)に政党再編成が起こり、それによって「民主党と共和党」の二大政党制が成立、現在に至っています

筆者は登録済民主党員ではありますが、“アメリカの健全な二大政党制を維持するためには伝統ある保守本流の共和党の再建が急務”であると信じます。従って、共和党と民主党というこの二大政党が現在のようにお互いが敵対せず、むしろライバルとして競合しながらアメリカの民主主義の理念と各党の選挙綱領を守り政権を運営する限り、アメリカの民主主義は維持できると信じています。

それだけにリズ・チェイニー議員(56歳)の奮闘に加え、フーバー元(第31代)大統領の孫娘マーガレット・フーバー女史(43歳、共和党保守派、政治コメンティター。NHKクローズアップ現代キャスター国谷裕子の若い頃を思い出させる米PBS公共TV放送特別番組出演の聡明・美人キャスター)辺りがリズ・チェイニー議員の「脱トランプ共和党」運動に参加し、伝統ある共和党の再建に乗り出せたら、いずれトランプ個人崇拝共和党を解体させることができると筆者はおぼろげな期待を抱いています。

5.アメリカの二極化の歴史と現状、加えて民主党への学者の提言

第二次世界大戦後のジョンソン大統領による1964年の民主化運動によって政治の二極化が始まり、従来の党同士の取引で政策を決める時代が終わりました。つまり、民主党が少数民族のための党へ。共和党は白人のための、また1972年代後半政治の世界に大きな影響を与えた福音派キリスト教徒のための党に変わりました。

よって、アメリカの二大政党は今や「人種」と「宗教」によって区別されていると言えます。ブッシュ・ジュニア大統領(2001〜2009)時代は、9.11テロ襲撃事件、それに伴うイラク進攻などの有事が発生したこともあり、民主党と共和党は何とか自制し合い民主主義の規範が守られました。しかし、2008年の大統領選挙(共和党マケイン候補と民主党オバマ候補)時代には、共和党は更に右派団体、ティーパーティ党やNRA(米国銃所有者団体)と言った極右派の党員らをもつ共和党へと変わった、という歴史がアメリカにはあります。

2008年の大統領選挙では白人男性最優位の共和党の信念にも関わらず、民主党の黒人で若いオバマ上院議員(当時47歳)が当選、2009年1月20日アメリカ史上初めて黒人大統領が誕生しました。人種偏見に満ちた白人有権者の過半数を有する共和党は再び大憤慨。右派団体、ティーパーティ党やNRAと言った極右派の党員らに加え、2012年の大統領選挙出馬を断念したドナルド・トランプが、オバマ大統領がアメリカ生まれか大疑問だとの陰謀論で世論を操り、兎に角共和党は民主党を敵とみなし、党ぐるみでオバマ大統領を倒そうと運動しました。

2016年11月の大統領選挙では、僅差ながら唯我独尊の不動産王、ボクシングや世界美人コンテストを開催する興行師ドナルド・トランプ(71歳)が大統領に選ばれ2017年1月就任。過激派のトランプ大統領が民主党やメディア(Fox TV を除くメディア)を敵視し始めたことでアメリカ政治の二極化に加え、社会面での二極化がトランプ大統領とトランプ支持者(白人至上主義者やQアノン、FBIが認定した自国産テロリスト組織、それに低教育白人労働者ら)によって益々増幅されました。万万が一トランプ大統領が2024年の大統領選で再選されたら(筆者はその可能性は無いと思いますが)、それこそ、南北戦争に続くシビル・ウォー(内戦)が起こりうるとの懸念がささやかれるほどに移民大国民主主義の国、アメリカでは政治と社会の二極化が手につけられないほど悪化しています。

冒頭に紹介した著者レビッキー氏とジブラット氏の民主党への提言:
「アメリカの二極化を悪化させたのが共和党だとしても民主党にそれを和らげる後押しができる。一部の民主党議員は、「白人労働者階級」「大学教育を受けていない白人有権者」からの支援を取り戻すことに、サンダーズ議員のように民主党は若い世代の有権者に焦点を当てるべきだ。一方、民主党は少数民族への影響力を弱め、白人労働者階級の有権者を取り返すべきだ」

 6.バイデン大統領の大きな賭け、共和党の抵抗とインフレ対策、バイデン大統領の手腕が問われる

バイデン大統領は、コロナ禍で顕著となった貧富の格差是正、社会福祉の改善、幼児教育からコミュニティ・カレッジ(2年から3年制の短期大学兼職業訓練大学)の充実をはじめ、産業・経済・社会問題救済のために総額6兆ドルという国家救済予算を共和党に突きつけ“大きな賭けに”出ています。

共和党は、膨大な財政支出の財源、“大企業や富裕層への増税”に大反対。また、トランプ政権時代の昨年3月の新型コロナ経済対策2兆ドルに続く、バイデン大統領の1.9兆ドル(実施中)、更に4兆ドル、総計6兆ドルという膨大な財政投資は高インフレを引き起こすとして猛反対しています。

インフレへの懸念についてラリー・サマーズ氏(ハーバード大学教授、クリントン民主党政権時代の財務長官)は警告していますが、経済学者のクルーグマン氏は、この経済・社会の国家救済においてはむしろ “GO BIG”推進論者で、“共和党が真っ向からバイデン政権の国家済予算案に抵抗する理由は、その成功によって民主党が2022年の中間選挙で大きな勝利をあげる可能性への恐怖による拒否反応だ”と論じています。

(参考)民主党支持、知名度の高いジャーナリストの意見紹介:
(1)デイビッド・ブルック氏(ニューヨーク・タイム紙コラムニスト)は、バイデン大統領は選挙公約に沿ってコロナ禍で顕著となった貧富の格差是正、社会福祉の改善、つまり国家救済には総額6兆ドルが必要ゆえに、その巨額な国家予算案の議会通過に最大限のエネルギーを燃やせ、と檄を飛ばしています。

(2)トーマス・フリードマン氏は、米議会下院・上院の与野党の合意が遅れている国家救済予算について、この機会をバイデン大統領が逃したら、それこそ2024年大統領選挙で過激派のトランプ前大統領が再選される最悪のシナリオが起こりうる、との懸念を表した論文を掲載し、左派との早期妥協(含、予算案減額)による議会可決を促しています。

なお、このバイデン政権の総額6兆ドルに上る巨額な財政投資は、ルーズベルト大統領(ニューディール政策)、アイゼンハワー大統領(全米に高速道路綱)、ケネディー大統領(アポロ計画)、ジョンソン大統領(貧困と経済災害の一掃)、オバマ大統領(金融機関救済)の五大統領がそれぞれの危機に対応した予算額を大幅に上回る膨大な規模の「国家救済予算・プロジェクト」です。

 7.2022年の中間選挙と2024年の大統領選挙に向けてのトランプ氏の策略への警戒

ハーバード大学教授レビッキー氏とジブラット氏は、米国有力月刊誌『ザ・アトランテック』7月号に「アメリカ民主主義の最大の脅威は共和党が次の選挙を盗むことだ」(The Biggest Threat to Democracy is the GOP Stealing the Next Election)という表題で寄稿。今日の共和党(トランプ共和党)が民主主義のルールに沿った選挙をしない限りアメリカの民主主義は危機に直面する、と警戒感を表明しています。

アメリカの民主主義の運命に影響を及ぼすもう一つの要因は世論です。

トランプ前大統領は、国民に嘘八百を並べ「異常」を「正常」へと変える人心掌握術を使い世論を撹乱誘導。また、トランプ前大統領の収入の多くを占める“TRUMP名義貸し”を草の根各種支援団体へ伸ばし、選挙資金活動を展開しています。トランプの常套手段である“大嘘“と”陰謀論” “反論者更迭“ ”弱者いじめ“が今日の共和党議員らに黙認され、トランプ個人崇拝共和党議員の大きな武器に仕込まれており、彼らトランプ共和党こそアメリカの民主主義を破壊させる恐れ大です。

冒頭第2項で触れたように、共和党の選挙改革という策略に対抗し、民主党バイデン政権はH.R.1という連邦法案を法制化して各州による勝手な選挙制度の実施を食い止める規制法を進めています。しかし、選挙は各州の権限事項であるだけにどこまで連邦法で規制できるか疑問が残ります。

筆者は、トランプ前大統領の様々な策略は、むしろ民主党と支持者の警戒感を強め民主党の団結に期すると思っていますので、余り心配はしていません。それを裏付ける2021年度の選挙の例としては、先ずは1月5日のジョージア州の上院議員2名の決選投票。更には9月14日行われたカルフオルニア州民主党知事のリコール投票。いずれの場合もトランプ氏が画策した選挙でしたが、トランプ氏が担いだ共和党候補はいずれも敗退。カルフォルニア州知事のリコール投票では大差でNOが突きつけられ、民主党知事は任期一杯続投となりました。

しかし、問題はむしろ、トランプ前大統領が固執したアリゾナ州での票の数え直しに彼の息がかかった全く票集計の経験がないフロリダ州のある警備会社を派遣、4ヶ月間の票再確認作業中に投票機(複数台)に何か仕込まれはしなかったかとの疑いがアリゾナ州共和党政府関係者の間で浮かび上がっていることです。つまり、次の2022年の中間選挙や2024年大統領選挙•総選挙を前に、トランプ氏と彼の関係会社が票集システムに、ソフトとハードの両面で何か疾しい工作を仕込んだ可能性を否定できないことです。

なお、噂されるトランプ前大統領の2024年大統領選挙出馬について筆者は、一年後の中間選挙でトランプ・カルト共和党議員(複数名議員と新規候補者)が予想外の勝利を上げない限り、負けを認められないドナルド・トランプは2024年大統領選挙には出馬しない、と見ます。また、「共和党」の大統領候補には指名されないでしょう。むしろ、「共和党」は、2024年の大統領選挙に向けて、伝統的な共和党の党是を守る大統領候補を選出し、バイデン民主党政権に挑戦すると思います。

8.バイデン大統領の将来と課題

2022年の中間選挙は、バイデン大統領に対する信任投票となり、その結果がアメリカの将来の指針を示すことになるので、極めて重要な選挙となります。

野党共和党は、バイデン政権の負の面、つまりサプライ・チェーンの再構築に各国が苦闘している中で国民の日常生活を直撃するガソリン価格を含む物価高騰、加えて不法移民の増加を攻撃の重要な的に掲げるでしょうゆえに、来年9月末前までに、インフレ改善の兆候が国民の目に映るように、バイデン政権は一丸となってバイデン大統領の大黒柱的政策である国家救済プロジェクトを全力で推進する必要があります。

一方、第3項中段で触れた共和党内部の分裂はバイデン政権にとって影の追い風となりますが、インフレは大敵です。また、国家救済プロジェクトが10月30日迄に議会を通過することが必須です。

(在アリゾナ、2021/10/12)